あの空を越えて逢いにいく。
杏南の手を掴んだまま力無く動かない俺に、杏南は遠慮がちに声をかけてくる。





「ああのぅ‥‥大丈夫ですか?」


「あーうん平気。むしろ最高」




俺は杏南の手をゆっくり離すと
杏南をジッと見た。


杏南の肩が少しビクッとなる。





「なぁ、勉強は明日からにしてどっか行こうぜ」

「へ?」







驚く杏南に、俺はいたずらにニヤリとした。







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