「強がってんだよ…気づけバカっ。」


ーーただいま。




そっとつぶやきながら自分の部屋に向かう。


まだ今日のアザはジンジンしてて
横腹にもまた。
大きいの出来ちゃったな。

なーんて、
ちょっと自嘲してみる


どーしよー
家に着いたから
楠木くんにLINEしないといけないのに、
何も文面が思いつかなくて、
ずっと、カーソルが一定の位置で止まったまま。


『無事に家に着きました。』


とりあえず、
なんのこだわりもない簡潔な文を送信した



あんな心配してくれたのに、
ありがとうの一言も言わないとか、
私ってどんだけ可愛げないんだろ…

これじゃ、ほんとにただの報告だよね。


あぁ、バカだぁ。、私。



ーー ピコッーー

あっ、もしかして!!

『よかった。報告ありがとな!!』


やっぱり楠木くんだ。

ありがとうなんて、私のセリフだよ。

それに。

学校中の女の子達が欲しがるであろう
楠木くんの連絡先。


なんか、ちょっとだけ、

特別みたいで、うれしい。


「あぁ、もう、私何考えてるんだろっ!!
もう、4時30分か、、。
そろそろ寝なきゃ。」


それから、私は眠りにおちた。

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