「強がってんだよ…気づけバカっ。」



「これから委員会を始めます」


委員長の凛とした声が教室に響く



俺の隣には綾瀬さんが座ってる

あぁ、やっぱりかわいい、。

なんて

ついつい見惚れてる自分に
恥ずかしくなる


「あのー、綾瀬さんって、
ほんとは体育委員やりたくなかったでしょ? なのに、なんでひきうけたの?」


周りに気づかれないように
小声で聞いてみた。


我ながら、すごい
いじわるな質問だ。


「えっ、、えっとー。
そんなことないですよぉ、
体育委員とか、楽しそーだし、、
私、なんもやりたいやつなかったから
ちょーどいいなって思って… です。」


あっ。やっぱりすごい困ってる。
何聞いてんだ、俺。


また無理して笑う綾瀬さんに
胸が締め付けられる。


嫌だったけど、押し付けられて
断れなかったからって


そう、言えばいいのに…


きっと綾瀬さんは、体育委員を押し付けてきた女子達のことも、必死に自分の中で肯定して、



自分の気持ちなんて
消しちゃうんだ。


「そっか。でも体育委員、
大変なこと多いし、
なんかあったら声かけてよ」


「あっ、ありがとうございます」




俺の周りの女の子達はいつも。

「ね〜 え〜 、、湊!!!
あの子に仕事押し付けられたんだけどー!
ほんっと信じらんない!!!」



とか、


「ねぇ、ここケガしちゃった。どーしよー」


なんて、
やたらと絡んでくるのに。


綾瀬さんは正反対で、
感情を表に出さないから。


だから、、





大丈夫かなって。







守ってあげたくて。



無理してないかなって。



不安になる。


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