幼馴染の彼~あの日の約束~
 真子が近づいてきて、耳元で話す。

「片桐君いるんだけど、ショック大きすぎらしくて、泣いてた。笑える」

 そう言って、肩を震わせながら笑う真子に、私は心の中で

 片桐君、ごめんね

 と謝ることしかできなかった。

「皆さん、今日は遠くから来てくれてありがとうございます。そろそろ時間なので、お願いします」

 明るい声の母に、みんながぞろぞろと式場へ向かう。真子も私の肩を軽く叩いて、じゃあねといって後にした。

 真子の姿が消えると同時にタキシード姿の父が姿を現す。

 私はゆっくり立ち上がって

「お父さん、今までありがとう。これからもよろしくね」

 と、声をかけると、父は天井を向いてうんうんと頷いた。

「お父さん、泣きそうなんですって」

 母が苦笑した。
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