そして、恋の種が花開く。

七月七日、七夕の今日が同窓会。

ちょうど土曜で仕事は休み。
朝寝坊しようと思っていたのに、なぜかいつも仕事に行く時間より早く目が覚めてしまった。
思いの外ソワソワしている自分がいて、このテンションは遠足に行く前の小学生の様でひとり気恥ずかしくなった。

それを紛らわす為、朝から洗濯したり部屋の片づけをしたり身体を動かすことにした。

十二時を回り、昼ご飯を軽く食べ終えると特にやることもなくテレビを見る。
こういう時って時間が経つのが遅く感じ、朝から何度時計を確認したか分からない。

ようやく出発時間の一時間前になり、準備を始める。
メイクを済ませると肩まである髪の毛をサイドでまとめ、ロイヤルベージュのシフォンワンピースを着た。
襟にパール風のビジューがあしらわれていて何気にお気に入りだ。

全身が映る鏡の前に立ち、どこかおかしなところはないかチェックする。
うん、大丈夫だと思う。

家を出て最寄り駅に行き、電車に乗る。
時間的にも電車は空いていたので窓側の席に座りバッグからハガキを出して目を通す。

同窓会、か。
私が通っていたのは家から近くて普通科のある県立高校。
成績は良くも悪くもなく、目立つことのない平凡な学生だった。
当時は人並みに彼氏もいたけど……ってこれはどうでもいい話だ。

思い出に浸っていたら到着を知らせるアナウンスが耳に届き、目的の駅に電車がついた。
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