(完)嘘で溢れた恋に涙する

2

それから学校は行かないまま、私はお母さんの育った故郷へ一人で引っ越した。




いや、正確に言うと、「逃げた」だ。




とうとう現実に耐えられなくなってしまった。




たどり着いた真実に絶望してしまった。





お母さんは詳しくは知らないけれど、その時点でまだ事件のことや会社の件の後始末が山ほど残ってたらしく、私をお祖父ちゃんの家に置いたらすぐに帰ってしまった。




お祖父ちゃんとお祖母ちゃんは私とお母さんを見た瞬間、すぐに抱きしめてくれて、泣きながら「よく頑張ったね」と何度も繰り返し言ってくれた。




だけど、悪意など微塵もないその言葉は私の傷をさらに深くした。




本来ならそんな言葉をかけられるべきではない、それがやっと理解できたのだ。




もちろんそんなことを言えるはずもない。




だから私は、お父さんがずっと馬鹿にしていたお祖父ちゃんとお祖母ちゃんに出来る限りの笑顔を浮かべて、「ありがとう」と呟いた。


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