(完)嘘で溢れた恋に涙する
純粋なその瞳が逆に怖くなって、私は自分より一回りも小さい子達にペコペコと頭を下げながらエレベーターに乗り込んだ。



「お姉ちゃんも一階にいくの?」



さっきの子とは違う女の子がボタンを押しながらそう聞いてきた。



私が全力で首を縦に振ったのを確認すると、その子たちは私のことなど気にしていないようにキャーキャーと騒いでいた。




下に降りていくのを感じながら、ここが何階なのか確認するのを忘れてしまったなと漠然に感じていた。



一階に着くと、3人は勢いよく飛び出していって、看護師さんに怒られていた。



私はそっと人の目から隠れるようにエレベーターから出て辺りを見渡す。



広いそのスペースには、大きなカウンターのようなところがあって、看護師のような人たちが忙しそうに働いていた。



中央には大きなテレビと、新聞や雑誌なんかが置いてあってその前には何列も椅子が連なっていた。



近くには子供達が遊ぶためのスペースみたいなものがあって、そこにあの子達が見えた。



とにかくテレビを見たら何かわかるかもしれないと思って、そばにあった椅子に腰掛けてテレビを見た。



ちょうどニュース番組があっていて、下に日付と時間が小さく書かれていた。



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