(完)嘘で溢れた恋に涙する
そう思っていると、おばさんが杖をつきながら玄関に向かって歩いてきた。


じろっとクラスメイトたちを一瞥して、しわがれた声で尋ねた。



「誰?この子の友達?」


クラスメイトたちは険悪なムードのおばさんに気後れしたのか、首を下げてしまった。


そんな中、



「そうです!由姫の友達の日野美結って言います!」



美結が隣からひょっこりと顔を出して返事をして、さらっと自己紹介まで済ませてしまった。



「へえ、あんた友達とかおったとね」



おばさんは目を細めて、皮肉っぽく笑って見せた。



「悪かけど、この子は手伝いせんばけん無理ばい。この子抜きで楽しまんね」



面白そうにそう言い放ったおばさんにみんな呆気を取られてしまっている。



でも私にとっては予想通りの結果で、落ち込むこともなく平静を装って笑ってみんなに手を振った。


別に1人でも全然平気。


本来私は笑うことも許されないんだから。


必要以上に距離を取る勇気はないけど、だからといってむやみに馴れ合う気もない。



この温かいクラスメイトに出会ってから、自然と笑ったり、自分もその中に入りたいと願ってしまったりどこかでそんなことを考えてしまっている自分もいるけど。


身の程知らずもいいとこだ。


おばさんのいう通り、私に友達だなんて甚だおかしな話なんだ。


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