悲蒼色の事実
傷口に塗り込んだ薬
俺には、恋愛感情というものがきっと欠落している。
長い髪の毛を揺らしながら、愛という女性が、喘ぐ。ベッドのきしむ音と重なって耳をさわる。
「気持ちいい?ねぇ気持ちいい?」
必死そうな表情はたまらなく可愛いんだけど、どうもそそられない。
これが、好きな人とかだったらな、といつも俺は頭の中で考える。今までそんな人出来たこともないのに馬鹿らしくて萎える。