いつも側で君を感じるから。
もうひとりの自分-side新-



松岡みなみと出会ったのは小5の時だった。

ちょうどうちの中がゴタついてて離婚が決まったばかりの頃で。

隣の席になって、色々話す様になり俺たちは親しくなった。

家で嫌な事があっても、学校でみなみと話すと気分が晴れた。

最初はすげー明るくて、面白い女子っていうだけだったんだけど、その裏にはとんでもない闇があって。


それを知ったのは出会って約1年後のことだった。

その日の午後はプールで、俺は仮病を使って見学していた。

本当は泳ぎたかったけど…服を脱げない理由があった。

前日、親父に殴られ蹴られた痣が背中やわき腹に残っていたから。

そんなの、クラスの奴らに絶対見せられない。

みんなが気持ちよさそうに泳いでいるのを、日陰からボーっと見ていた。


くそつまんねぇ…アイツのせいで俺は…。

「あれ?新も見学?」

横を見ると、みなみが体操着姿で俺の隣に座った。

「あー…うん。風邪で」

「え!?そんな感じしなかったけどー!もしかして仮病じゃないのぉ?」
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