いじめ ―きっかけは―
❻ いじめ
第6章


翌日、私はのろのろと学校へ向かっている。


「はぁー…。」


そして、柚花の言葉を思い出しては
溜息。


私のこと嫌いだからやったの…?


…だけど、と私は思う。


わざわざ嘘をついて
あの犯人はあたしです。何て、
普通言わないよ。


「おはよっ☆ 美海ちゃん!」


私は吃驚して体の向きを
声がした方向に向ける。


「あ、綾実ちゃん。
 おはよう。」


…愛美の隣の席の可愛い女の子だ。


いかにも☆が文末に付きそうな
明るい感じで喋るこの子は、
名前負けしていなく、顔も凄く可愛い。



「あっ良いんだよ!
 綾実のことは綾実って呼んで☆」



「あ、うん…分かった。
 じゃあ私のことも美海で良いよ。」


やっぱ友達出来るのって
嬉しいことなんだよね…。


知らないうちに顔がにやけちゃうよ。


「オー☆」


何故か左手を挙げて楽しそうに笑う綾実。
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