いじめ ―きっかけは―
❾ 友情
第9章


「美海!」


柚花はそうひと言言うと、
教室を出て行った。


何…?
柚花はどうして私の名前を
呼んだの?


「どうしたの?」


愛美が顔を覗き込んでくる。


何よ…何…。


「だから、今更友達面はうんざりなの!
 やめてくんない?」


「は?
 あたしら謝ったんだけど?」


「謝って済むもんなのかと思ってるの?
 …もう、ありえないよ!」


私は、柚花の姿を探すため、
教室を出る…。


「うわ…
 謝んなきゃよかった。」


「本当。
 何であんな女王様気取り?」


「マジであり得ない。」


あぁ、悪口大会が始まってるよ。
私はもういい加減、うんざりだよ。


「柚花はどこに行ったんだろ…。」


柚花はさっき、私に助けを求めてた?


でも、助けを求められても、
気にしない私じゃなかった?


でも…でも…
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