ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
だけど、このまま終わりなんて嫌だ。



だって由宇さん、嬉しそうに見えない。



幸せだってはっきりと見せ付けられなくちゃ諦めがつかないから、と自分に言い訳して、
困らせるってわかってて由宇さんにメールを送った。




【本文】
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念願叶って良かったですね。
けど、俺はまだ今の由宇さんに満足してません。

しおりを返してほしいなら、俺の気が済むまで、今まで通り俺の言う通りにしてもらいますからね。

由宇さんの恋路を邪魔しないようにしますから。

だから最後まで付き合ってもらいますよ?
         歩
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本当に俺って嫌なヤツ。



恋路を邪魔しないなんて、俺がまとわりついてる時点で、邪魔してるのに。




なんであんなメール送ってしまったんだろう。




俺のものでもないのに、独占欲丸出しで。



こんなガキみたいなことしてる俺なんかより、部長を慕うのは当然の事だ。



後悔してる俺の携帯が手の中で音をたてた。




由宇さん専用のメール着信音。




開いた画面には一言、“わかってる”と書かれていた。








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