ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
「ノック位すれよ。それより初詣は?彼氏と行くって言ってなかったっけ?」





入ってきたのは4つ上の姉貴だった。






大学へ通うのに家からだと交通が不便だと言って独り暮らししてる。
帰ってくるのは年が明けてからだって父さんがぼやいてたと思ったのに。





たまに家にご飯食べに帰ってきてるみたいだから母さんはさほど心配してなさそうだけど、俺は遊び歩いててしばらく顔は合わせてなかった。





『初詣はこれから行くの。もう少しで迎えに来てくれるから。』






俺の問いかけに答える姉貴の表情はなんだか怖い。






あの顔は絶対俺に対して何か文句がある顔だ。






昔からそうだったもんな。俺が姉貴の買った歌手のCDのジャケットを傷つけた時とか、


姉貴の気に入ってたサンバイザーを俺が被ってそのまま汚してしまったとか、


まぁ俺が全般悪いんだけど、説教を始める前、普段はボヤッとしてるくせに決まってこんな怖い顔するんだ。






でも





今日は姉貴にそんな顔して説教される覚えなんて、全くない。




何なんだよ一体……






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