ラブ・マスター？ 【ラブレッスン番外編】

『働き始めて１ヶ月経つのにお話しするのは初めてですよね。

加藤 ゆう って言います。結城さん、でしたよね？これから仲良くしてくださいね？』





名前を聞いた途端、顔を上げて視線を合わせた。





そんな俺に首を傾げながらフンワリと笑う目の前の人。




その笑顔に胸がドクンと音を立てた。





「加藤……ゆう、さん？」





『はい。私の名前が何か？』




“ゆう”って聞いただけでこんなに動揺してどうする！？



第一苗字が違うじゃないか、と自分に言い聞かせて視線を逸らし、注がれたビールをグイッと一気に飲みほす。




目の端にまだ首を傾げてる姿が入ってきて、グラスをテーブルにおきながら口を開いた。





「知り合いにも“ゆう”って子がいるんだ。ねぇ、加藤さんはどんな漢字でゆうって書くの？」