零度の華 Ⅱ


ニュースで流れる"殺し屋零(ゼロ)逮捕"の文字を見た時は驚きを隠せなかった


何かが起こるという予感が的中したという事

おそらく、いや確実に狼も何かを感じていたはず



それなのに、捕まったとなるとハプニングが起きてしまったのか...


でも、いつもどうにか回避していた狼が、まさか捕まるとは......



思ってみなかった事態に困惑と不安が襲ってきた


自分勝手でいつも先を見透かし、年下なのに自分よりも上を歩くあの人を嫌いながらも、どこか遠くに感じ、人間らしく不安や恐怖を見せていたあの人に執着していたのだと思い知らされた瞬間だった



零(ゼロ)が逮捕されたと忙しく、そして騒がしく報道が鳴り止まない、そんな時に封筒が届いた


封筒の中には何かの鍵と、どこかを表す住所がいつも零(ゼロ)が使っているカードで示されていただけだった



狼はこのことも予想していたのだろうか?



私は今、カードに書かれた住所に向かっている


< 417 / 420 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop