春はすぐそこ。
「お風呂、ありがとうございました、」
リビングでお母さんに声をかけた。
「いいのよー、ゆっくりはいれた?お茶でものむ?」
「いえ、大丈夫です、」
「あらそう?それなら由紀の部屋にお茶持っていくわね」
「ありがとうございます。」
古川のお母さんは穏やかで綺麗な人だ。
羨ましい、と正直に思う。
「遅かったな。のぼせたか?」
ぼけっとしていた。
「別に。」
「なんだよ、相変わらず冷たいな、」