風に吹かれた奇跡
Letter.7
「あっちぃー。」

「うるせぇ。」
隣で息を切らして敦が言う。

「よし、帰ろうぜ。」

「遅せぇよ。」

「ごめんって。」
敦が一緒に帰りたいとか言うし、そしたらちょっと自主練してから帰りたいとか言われて待たされた。

「早く行くぞ。」

「ちょっと待って。俺疲れてっから。」

「知らねー。待っててやったんだから感謝しろ。」

敦を置いて先に校門を出た。

「あ、大樹いたぁ!」

またこいつかよ。木村このみ。

「あたしと一緒にかえろー?」

「無理。今日敦と帰るから。」
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