冷めた心に、暖かい日差しを...



不意に、頭がズキッと痛んだけど
表情を隠すために 歯を食いしばった
恐らく貧血からのものだろう



バレると面倒臭い。





「澪凛ちゃん どうかした?」




本を捲るのをやめた
私に疑問を持ったのだろう。





「いえ、何でもないです。」




早く立ち去らない、柚月先生と爽波先生





「辛かったら、言ってもいいんだよ?」




私が隠すことを知っている、柚月さんは
「そっか」って言って終わらせない




「そうだよ、君の苦しみを治すために僕らがいるんだから!」






そんな優しい言葉は、私にとって綺麗事にしか聞こえない





「大丈夫です」





そう平然として、本の続きを読むのだが
爽波先生は 本を取り上げた





「我慢は、ダメだよ?」




どうでもいいと思い、窓の外を見た
その外は 今まで曇だったのに 雨が降り始めた




「...何かあったら、言ってね」





そう言い、2人は出て行ったが
私を 悲しそうな目で見ていた




別に心配なんてしなくていいのに
と思いながら 布団に潜った。






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