ミステイクX X X *SS*

友達以上恋人未満

体の関係があると、二人は恋人?

友達の範囲 恋人の範囲の境界線って何だろう?あやふやな関係で モヤモヤとしていた。

「今日 夜空いてる?」と昼休みに栗ちゃんからLINE電話が入る。

「栗ちゃん、こっちに来てるの?」
「昨日から出張で来てるよ。亜湖 もう俺の名前呼んでくれないんだね。」

何故か声が悲しそうに聞こえる

「亜湖 直接迎えに行くから 家の最寄り駅8時に待ち合わせでOK?」

はてなが沢山の会話の中 テンションだけは上がって行く。何?どういう事?栗ちゃんは 私を驚かせるのが得意だからね。

「うん、8時だね。待ってるね♪」と明るく返事を返し 定時になって急いで家へ、シャワーを浴び お洒落をして栗ちゃんを待った。

栗ちゃんはタクシーで待ち合わせ場所に来た。車の中に男の人が乗っている。

「今晩は。栗本の上司の沖田です。間宮さんの話を聞いて 会いたくて来ちゃたよ。デートの邪魔してごめんね。」

お洒落な上司で、雰囲気が素敵な人。

「えっ?栗ちゃん 私の事話したの?スゴく恥ずかしいよ…」多分顔は真っ赤だと思う。

「可愛いね~。栗本お前 間宮さん今日貸してくれない?」

「沖田さん勘弁して下さいよ。今日だけじゃなく ずっと亜湖は貸せません!俺ですら 中々会えないのに…」

「…」

「熱いなお前。それで最近こっちの出張行きたがる訳だ。」

「沖田さん、俺の話はいいですから。店まだですか?」

「ははは…間宮さん 栗本をこれからもよろしく!」

二人会話を聞いて胸がきゅっとなり 栗ちゃんの事 やっぱり意識してるんだと 改めて思った。

タクシーが止まった場所は オールディーズで ビートルズのコピー生バンドが演奏するライブハウス。

私でも聞いた事がある曲が演奏されていて、流石 沖田さん、女の人を喜ばせるのが上手いなと感心した。

楽しい時間は終わり。
家までタクシーで送ってもらい、二人は帰ってしまった。

次の日から、やっぱり心の空白は誰も埋めてはくれなくて 更にモヤモヤが続いた。

ある日、同期の白鳥さんから話がしたいと連絡が入る。ほとんど話した事がないのに 何の話をするの?と思いながら、待ち合わせ場所に行く。

白鳥さんはアイドルみたいに 目が大きい超可愛い女の子。連れの同期の子が私に「東京の栗本君と付き合ってるの?」と直球で聞いてきた。

「付き合ってないよ。」と速攻答える。「ホントに本当?」と 涙を流しながら 白鳥さんは私に自分で聞く。

白鳥さんは 栗ちゃんが好きなんだ…
好きな気持ちを素直に話せる白鳥さん。私はもう一度言う。

「私は栗本君と二人でデートした事も、ご飯や一緒に飲みに行った事もない。嘘だと思ったら本人に聞くか、山下君に聞いてよ。付き合うとかじゃなく、同期なだけ。」

白鳥さん達は 納得して帰って行った。

さっきの自分の言葉にショックを受けていた。何だ、私と栗ちゃんはただの同期なだけだったんだ…

まるで私が栗ちゃんにとって特別な女の子だと。
勘違いしてただけ…
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