直感的結婚～恋はこれから～
社長に引率されて、ドレスの裾を踏まないようにと少し持ち上げて真っ直ぐな廊下を歩く。今日の結婚式はレストランでの人前結婚式だ。

東京にこんな緑溢れるレストランがあったとは知らなかった。大きな木々に囲まれていて、外の景色が全く見えない。

全てお任せにしてあったからこのレストランのこともここに来るまで知らなかった。

昨日は荷物だけ専務のマンションに運び、ホテルに泊まるよう言われて私はホテルに泊まった。幸哉も同じホテルに宿泊していて、昼前にハピトラ企画の社員が迎えに来てくれて、30分ほどでこのレストランにたどり着いた。

案内された控え室で出された紅茶を飲んでいると、三人の人が入ってきて、ヘアアレンジ、メイク、着付けとしてくれて、今の私が出来上がった。

ドレスを決める時は三奈子さんと一緒に行ったから、専務にドレスを見せるのも初めてだ。

緊張してきた。


「この部屋に泰士がいるからね。じゃ、俺たちは向こうで待っているよ」


社長に軽く背中を押されて、私はドアをノックする。返事が聞こえて、ゆっくりとドアを開けた。
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