直感的結婚~恋はこれから~
明かりの少ない住宅街から指を左の方へと動かして止まったところあるのはこのホテルとそう変わらない高さのビル。

ここからはそのビルがなにかは判別しにくいが、泰士さんがマンションだと言うならマンションなんだろう。

しかし、なんの前触れもなく一戸建てがいいか、マンションがいいかと聞かれても返答に困る。すぐに答えを出せるものではない。

やっぱり慎重に考えた方がいい。


「そんなに急いで決めなくてはダメですか? 泰士さんが最初に話していたように慎重に決めた方がいいと思いますけど」

「そうだな。でも、考えておいて」

「はい、分かりました」

「じゃ、左手出して」


テーブルにポツンと忘れられていたようにあった指輪の一つを泰士さんが取り出す。

やっと本題に戻れた。外を見て話をしながらも指輪はどうするんだろうと頭の片隅で思っていた。

私の薬指に指輪は嵌められ、私も泰士さんの薬指に指輪を嵌めた。お揃いのリングが夫婦になったと今まで以上に実感させられる。

まだ始まったばかりの結婚生活だけど、この二日間で彼を近くに感じるようになった。
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