直感的結婚~恋はこれから~
しかし、三奈子さんはなぜか厳しい顔をする。報告書は秘密文書なのだろうか。むやみに見せてはいけないものとか?

安易に見せてくださいというものではなかった?

いけないことを要求してしまった?

こんなことを言ってきたと社長や専務に告げられたらどうしよう……。社会的ルールも知らないのかと思われたら……。


「あのね」

「はい! 申し訳ありません!」


とにかく謝るに限ると頭を下げた。


「何で謝るの?」

「えっ、あ、なんとなく?」


注意される前に謝るのが一番だと思ったけど、間違えただろうか。

三奈子さんは怪訝そうな顔をして、ため息をつく。もしかして呆れている?

どうしよう……。


「専務からフォーマットがあると聞いていない?」

「フォーマット? 報告書のですか? 聞いていませんが」

「やっぱり聞いていないのね。ならば、専務は山川さんの素質を見ようとしていると思うの」

「素質ですか?」


報告書のフォーマットと素質がどう結び付くのか分からなく、首を傾げた。
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