直感的結婚~恋はこれから~
「分かった。美琴のその気は俺が察知させていただくよ。見逃さないからね」


優しく微笑む彼はまたしても意味深なことを言って、自分の布団に寝転がる。

ちょっと待って……私のその気を察知するとは何?

私は察知されるほど分かりやすいの?

話したいこと、聞きたいことはいろいろあるのに考えがまとまらない。何を話したらいいのか。

まだ動揺している私を置いて、もう寝るらしい彼はゆっくりと目を閉じた。相変わらずきれいな顔。あの形の良い唇もしっかり閉じられている。

ぼんやり唇を見ているとさっきの熱いキスが思い出されて、手を口に持っていく。

気持ちよかった……自分が自分でなくなりそうな感覚になった。キスの感触を思い出して、一人赤面する私は寝転んで布団を被る。

早く寝てしまおうともう一度最初から羊を数え始めた。

だけど、かなり多くの羊を数えても眠くならない。布団から顔を出して、泰士さんを見る。気持ち良さそうに寝ている。

その寝顔を見ていたら、自然と瞼が降りてきた。やっと眠れそう。
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