なっちゃん、こっちへおいで。
愕然として、取っ手にかけていた腕をそのまま下に降ろし、足元に揺らめいていた長いスカートの裾をギュッと握った。
赤いチェックのかわいいスカート。
女の、制服。
あいつとは、違う。
制服だけじゃない。
声も
筋肉も
力強さも
僕が欲しくて欲しくてたまらないものを
すべて持っている。
女みたいに、泣きたくなかった。
なのに水分が溢れそうで
そんな自分が嫌で
嫌で嫌でたまらなくて
僕はその場から走り出した。