キミを奪いたい


きっと、リョウも気づいたと思う。私が緋月の姫だっていうことを。

だとしたら、リョウから連絡が来ることはもう無いだろう。


だって私は、Zeusの敵である緋月の姫なのだから。




「リョウ……ッ、」




リョウとはもう逢えない。

そう思っただけでこんなにも胸が苦しくなって、涙が込み上げてくる。




「リョウ……リョウ……ッ」



出逢ってまだ二週間しか経っていないのに、私の中でリョウは緋月のみんなに匹敵するぐらい大切な存在になっていた。


逢えないと思っただけでこんなにも哀しくて辛くて苦しいなんて……。


もう、息が出来ないほど胸が痛くて痛くて仕方ない。

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