嘘は輝(ひかり)への道しるべ
嘘は輝(ひかり)への道しるべ
 愛輝の部屋のカーテンの隙間から朝日が差し込んだ。
 愛輝はまだベットの中で眠っている。

 最近色々な事がありすぎて、朝方まで眠れなかったのだ。

 いきなり愛輝の部屋のドアが開き、美香が入って来た。


「愛輝! まだ寝ているの? 早く起きて!」

 美香は興奮して、荒々しく愛輝の布団を捲りり上げた。



「美香ちゃんどうしたの? 撮影は午後からよ。そんなに興奮していると、落ち着きの無い子が生まれるよ」

 愛輝は、まだ覚めない目を擦りながら言った。


「冗談言っている場合じゃないのよ! 早く!」


 美香は青ざめた顔で、テレビのリモコンの電源を入れた。


 美香のただ事ではない表情に、愛輝の頭は嫌な予感とともに目覚めると胸が震えた。



 朝の報道番組に、川島リョウの顔が写った。



 画面の下の、『覚醒剤所持の疑い』の文字が愛輝の目に飛び込んだ。

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