鬼羅 〜最弱の暴走族〜

最弱総長の過去







「きらにぃ!どこいくの!れんもつれてって」




「おう濂。これから倉庫に行くんだ。」




「そうこ..?それなあに?」




「俺の仲間がたくさんいる場所だよ。」






俺の家の近所に住んでいたお兄さん____きらにぃ こと天野綺羅さんはその時代のNo.1暴走族の総長だった。

人相は悪いけれどとても優しくて面倒見も良く、地域のボランティア活動なんかもやっていて、近所の皆に好かれているきらにぃ。

その日は俺が駄々を捏ねて はじめてきらにぃの倉庫に連れて行ってもらったんだ。




「綺羅さん!こんちはー!」



「おー村田。お前ここ来るのも良いけど母ちゃん手伝ってやれよー?」



「綺羅さん!この間はありがとうございました!」



「鈴木!全然良いんだよあんなことくらいさ。またなんかあったら俺のこと頼っていいからな?」





きらにぃの倉庫はキラキラしていた。
皆がきらにぃを囲んで笑いあってるんだ。何だか俺の知らない”特別な空間”に思えた。


それから俺はその倉庫に良く訪れるようになったんだけれど...




それはある日突然の事だった。







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