午前0時のシンデレラ

「どうして? 靴一足ぐらいいいって」

「ダメです!」と、彼女が毅然と断る。

「送っていただくだけでも悪いのに、靴まで買ってもらうなんて、そんなこと絶対にダメですから!」

さっきまでの謝ってばかりの姿とは打って変わって、あまりにはっきりと拒絶されるのに、

「なんだ…女なんて、みんな買ってやると言えば、あっさり受け取るもんだと思ってたのに」

そんな言葉が口をついて、

「……そんな風にも女性のことを思われてたんですか?」

と、ふっと上目に見られた。

「ああ…いや、そういうわけじゃないが……ただ、あんまりはっきりと拒むもんだから、ちょっと愚痴っぽくなってな……まぁ、ごめんな」

不意に見せられた意思の強そうな眼差しに、ドキリとしている自分がいて、

「いえ…」とだけ、彼女が応えると、

それ以上は、何も言えなくもなった……。




< 22 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop