午前0時のシンデレラ

その言葉に、胸を撫で下ろしたのも束の間、

「……誤解はしませんが、ひとつわかったことがあります……」

と、彼女は口をひらいた。

「わかったこと…?」

聞き返すと、

「はい…」

彼女は頷いて、

「……社長には、あの人のような女性の方がやっぱり似合ってると思います……キスも簡単にはできないような私ではなくて……」

さっきと同じような言葉を、もう一度くり返した。


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