午前0時のシンデレラ

会議室に一人になって、組んだ両手に顎を乗せる。

(俺にはもう、これぐらいしかできないのか……)

ぼんやりと思う。

彼女とは、もうこんな風に間接的にしか関われないのが歯がゆかった。

「……仕方ないよな…」

イスを引いて、呟く。

「……彼女と、これ以上は……」

その先を口に出すことはできなくて、どこか空虚にもなる気持ちを胸の奥に飲み込んだ……。


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