それでは始めましょう
さっ行くぞ。と私のバックを手にもち、

「大好きな透子を早く抱きたいんだ」

ニヤッと笑って私を振り返る。今度こそ固まり動けなくなった私に悪魔のささやき。

「早く来ないとココでするよ」

「なっ、おバカなの?ココは神聖な職場です!」

「あー、でもオレも職場でヤる勇気はまだないなぁ」

「まだ。って言った?そんな勇気、この先も出さなくていいからね!」

ココでなんてするわけない。危ない危ない、コイツ危ないぞ。

「早くおいで?」

立ち止まって差し出された手をじっと見つめる。

「どした?」

「私、ガンちゃんの手、大好きなんだよね。頭なでてくれてたでしょ。その時からずっと…」

「そっか、透子は先にオレの手に惚れてたわけね。じゃ。この手でたくさん触ってやるよ」

「ガンちゃん、変態発言はやめてください!」

「呼び方、戻ってるぞ!行くぞ!」

大好きな手で私の手をつかみ引き寄せた。

「離さないからな、覚悟しろよ」

「航大こそ」


二人の恋の物語。

それでは始めましょう。





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