それでは始めましょう
「なに~?歌わないよー」

言われる前に拒否っとこうと考えた私に、ガンちゃんは『ちげーよ』と呆れた声をだした。

「んじゃ、なぁに?」

「何があった?」

想定外に真面目な声で問いかけられ、手元にあった伝票からガンちゃんに視線をうつした。

「…何があった?」

「いや、オレが質問してるし、なんでオウム返しすんのさ」

ガンちゃんは既に仕事は終えていたようで、デスクの上を片付けながら私を見ていた。

「だって、なんでそんなこと聞くの?」

私も一旦伝票をおき、ガンちゃんに向かいあった。

「だって、お前今日おかしいだろ?」

「私、いつもおかしいでしょ?」

「…お前、自分で言うなよ…」

すっごく可哀想な子を見る目で私を見るガンちゃん。
すぐに咳払いなんかして、

「で、ごまかさない。確かにお前はいつもおかしいけど、今日は特別におかしい」

「どこがおかしいのよ!」

断定的に言われてしまい、ちょっとムッとした。




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