年下属性はありません!
素直な気持ち
その後,私達は普通の先生と生徒を全うした。

和也くんからラインが来ることもなかったし,進路相談と言われて呼び出されることもなかった。

その代わり,塾では勉強に関してはかなり厳しく指導した。

そのかいあって,和也君は無事志望校に合格することができた。

和也君は4月から智くんや正行くんと一緒に県内有数の進学校に通っている。

合格時には,お父様と一緒に塾に挨拶に来てくれた。

塾長と私,和也君とお父様で「良かった」と言い合って終わった。

なので,和也君と私のプライベートな話はすることなく,和也君は塾を卒業していった。

和也君が卒業してから,何か個人的な連絡があるかなとドキドキしながら待っていたが4月になっても何もなかった。

もちろん私から連絡することもない。

和也くんが私への恋心を忘れてしまったとしたら,寂しいけれど,仕方のないことだ。

高校に行って年の近い彼女を作って普通の恋愛をしてくれたらいいなと思う。

私は心の痛みは無視して和也君の幸せを願った。

そもそも先生と生徒の恋愛なんてうまくいく方がおかしいのだ。
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