年下属性はありません!
ドンペリ現る
「中学生に告白された!?あっはっは,まじうける!」

「京ちゃん,笑い事じゃないよ。ほんとに悩んでるんだから」

私は帰るなり,京ちゃんに電話した。この心のもやもやを聞いてもらいたくて。

「ごめんごめん,突然電話してくるから何かと思ったらさぁ。いいじゃん,微笑ましいじゃん。てかあんたが悩んだって何もできることはないんだから。中学生の告白なんてさらっと流すしかないじゃん」

「そうなんだけどさぁ・・・」

中学生って京ちゃんが思ってるより,大人なんだよ。流せないから困ってるんじゃん。

「で,連絡先もらったんだって?やーん,かわいいー!純情!どうすんの?なんて送るの?」

「送らないよ~。てか塾の規定で,個人的なやりとりはだめだって最初に誓約書書かされてるから」

「個人的なやり取りじゃなくて進路相談なんでしょ?その子が言うには。ならいんじゃない?」

「京ちゃん,軽く考え過ぎ・・・私が未成年淫行で逮捕されたらどうすんの・・・」

「そんなのみんなに言いふらすね!多分会社ですごいネタになると思うよ!!」

全然真面目に考えてくれない・・・

まだ新井課長のときの方が真剣に止めてくれた。

まぁそれは新井課長はシャレにならないと気づいたからだろうけど。

まさか私が中学生に手を出すことはしないだろうと,信用してくれているんだと思いたい。

「まぁまた何かあったら連絡してよ!分かってると思うけど淫行はだめだよ!じゃ,明日早いから寝るね~。ばーいびー」

ふざけた別れの挨拶と共に,電話を切られてしまった・・・

ふぅ

付箋を見てため息が漏れる。

そりゃ,もしほんとに進路とかいじめとか真剣な悩みを抱えてるなら,迷わず連絡するけど。

「嘘だよなぁ,きっと」
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