年下属性はありません!
困惑と嫉妬
翌日,ドンペリが塾に姿を現したのは,小学生コースが終わった後だった。

高山先生から聞いた話では,ドンペリはうちの教室を起点に近隣の教室も回っているらしい。

うちにつきっきりというわけではないそうだ。

「木村先生,お疲れ様です。」

講師机に座って採点していたところふいに声をかけられて顔をあげると,いつのまにか今元主任が教室に入ってきてたようだった。慌てて立ち上がって挨拶する。

「あ,今元主任お疲れ様です。他の教室に行かれてたって聞きました」

「そうなんですよ,このあともすぐ行かなきゃ行けないんですよ。遅くなりそうなので,今日はこの教室には戻ってこれそうになくて」

「お忙しいんですね」

そう,話を合わせると,ふいに今元主任の顔が私の耳元に寄ってきた。

「だから,どうしても木村先生の顔を見ておきたくて,無理して来ました」



・・

・・・・

「え,えぇ?!」

あまりにとっさのことで,なんて言っていいのかパニックになる。

今元主任から距離を取ろうと一歩下がると,当然そこにはさっきまで座っていた椅子があって,思わずよろめく。

その瞬間今元主任が,腕を掴んで支えてくれた。

「大丈夫ですか」

なんてニコニコして言っている。

あなたのせいですよ!!!

高山先生は,今講義獣で近くにはいない。良かった見られてなくて・・・


「あ,あのっ,」

「落ち着いて,座ってください」

両肩を押さえられて座らされる。

「では行ってきます。また明日」

相変わらずにこやかに手を振る今元主任。

何,なんなの・・・悪い冗談はやめて・・・

そして,今元主任が出ていこうとする入り口を見ると・・・

今元主任をすごい勢いで睨みつける和也君がいた・・・



タイミング,悪っ
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