年下属性はありません!
返事
正行の助言通り,木村先生にうだうだと質問をしていたら,生徒はもちろん他の先生も帰ってしまった。

うぉ,ほんとにチャンスが来た。

あれほど望んでいた二人きりだ。


告白した際のシミュレーションはばっちりだ。

木村先生の答えは三種類に分別できると踏んでいる。

①嬉しい!私も和也君のこと好きだったの!これからお付き合いしましょう!

②私も和也君のことが好きだけど,私達は先生と生徒。お付き合いはできないわ・・・

③きも!まじで無理。



①であれば,何も問題ない。ハッピーエンドというやつだ。

③は,木村先生がこんなことを言うとは思えないが,女子の会話を聞いていると可能性がなくもない。無理だと言われたら諦めるしかない。

②の場合は,一見断っているが,気持ちは好きだというパターンだ。これは諦める必要はないと思っている。

世間体に負けてはだめだ。

なにより,俺が中学を卒業すれば生徒と教師という障害もなくなる。


シミュレーションの復習をしていたら,先生が片付けを始めた。

ちょっと待って

「あの,先生」

思わず手首を掴んでしまう。

先生が驚いて振り返る。もうこのあたりはよく覚えていない。

覚えているのは俺が言った一言だけ。


「俺,先生のこと好きです」



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