年下属性はありません!
お互いの報告
ドンペリの去り際はえらくあっさりしたものだった。

最終日,ほぼ話すことはなく,授業が終わった後に高山先生と私に

「お世話になりました。縁があればまた来年来ます」

と一言挨拶して去っていった。

今回行われた視察は年に一回程度あるらしく,来年もドンペリが同じポジションで,私や高山先生がこの教室にいれば同じように会えるらしい。

異動の多い会社なのでまた会えるかどうかはわからない。

あまりのあっさりさに,一緒に飲みに行ったのは夢だったのかなと疑うほどだ。

夢なら夢でもいいや。私の頭を悩ます問題が一つ減ったことには変わりない。

そして,もう一つの問題についてだ。

ゴールデンウィークに入って二日目。

私は怠惰な日々を送っていた。

今までのモテ期から一転して,一人きりで過ごす大型連休。

ドンペリを振るのを早まったかなと後悔したのは内緒だ。

和也君と美樹ちゃんに関しては考えないようにしたいのに,ついつい考えてしまう。

ゴールデンウィークに入る前,和也くんと美樹ちゃんが二人で教室から出ていくのは見かけた。

お似合いだな

ふっとそんな風に思えた。

私と和也君では,どんなに頑張っても姉弟,下手したら親子だ。

お似合いのカップルと言う人はいないだろう。


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