人間発注書
諦めない
それから俺と伸紀は教室へ戻ったが、ほとんどぼんやりと時間を過ごしていた。


気が付けば放課後が来ていて、俺は伸紀に名前を呼ばれてようやく我に返った。


「俺午後の授業中もずっと『人間発注書』について調べてたんだ」


俺が返る準備をしている間、伸紀がそう言って来た。


「そうか……」


俺だって今まで散々調べて来た。


関係者にだって直接会ってみたりした。


どうにか瑠菜を助けたくてあがいて来た。


それでも無理なんだ。


俺ができることなんてなにもないんだ。


「買手がついた人間は一旦施設に入れられるらしいな」


「あぁ、そうだな」


そんなの俺だって知ってるんだよ。
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