人間発注書
発信機
階段を登り切ると、そこには一階と同じように食堂や浴室、それに番号が書かれた部屋があった。


閉じられた食堂の中から女性たちの話し声が聞えて来る。


そう言えば男性たちも丁度昼ご飯の時間だった。


「どうする? ミホコが出て来るのをどこかで隠れて待ってるか?」


伸紀にそう聞かれて俺は当たりを見回した。


一階と同じで隠れる場所は数カ所ありそうだ。


けれどミホコが食堂から出てきた時に突然出ていく事はできない。


みんながパニックになれば、施設の関係者も飛んでくるかもしれないのだ。


どうにかしてミホコ1人を連れ出したい。


そう考えた時、ある考えがひらめいた。


ここにいる男女は互いに接点がないらしい。


ということは、俺たちが施設に入れられている人間だと偽ってもバレないはずだ。


事情があってこの階へやって来たのだと説明すれば、きっと信じてもらえるはずだ。
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