人間発注書
シェンジ
それから男はどこかへ立ち去っていた。


辺りはとても静かで俺と伸紀しかいない様子だった。


「お前、本気なのか?」


男がいなくなってしばらくしてから、俺はようやくそれだけ聞く事ができた。


喉がカラカラに乾いている。


「あぁ。秋夜だって自分を売ろうとしただろ」


「そうだけど……」


自分が売られることならいくらでも我慢ができるんだ。


だけど、友達が、親友が売られてしまうことは耐えられない。
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