恋する天の川



「美緒先生~~
そろそろ片付けをお願いしま~~す」


遠くから他の先生の声がする。


「は~い、分かりました」


私は心臓がドキドキして、きっと声がうわずっているに違いない。
でも、ここは幼稚園、ちゃんと仕事をしなくちゃ…


「心太、今日はありがとう。
私、もう、行かなきゃ…」


そう言って私が心太に手を振ると、心太はもう一度私を呼んだ。


「美緒、今日は七夕だろ…

ご飯食べに行こうよ。
仕事が終わったら連絡して。

じゃあな」


心太はさりげなくそう言うと、家族の元へ戻って行った。



私は舞台に貼られた大きな天の川の絵を外しながら、涙が止まらない。


この再会が天の川に住んでいる天の神様のちょっとした気まぐれだとしても、私は、この大きな奇跡を絶対絶対無駄にはしない。


7月7日、七夕の日の昼、幼稚園にできた大きな天の川の前で私と心太は再会した。
これから先は、きっと天の神様も力は貸してくれない。


どうかどうか、心太に彼女なんていませんように…
できることなら、ちょっとでも私の事を好きでいてくれますように…


私は天の川の絵をクルクル丸めながら、何度も何度もお礼を言った。


神様、本当にありがとう……
本当に、本当に、ありがとうございます…

そして、この天の川を描いてくれた皆を、全員ギュッとしなきゃ。
私の可愛い子供達、本当に最高!

ありがとう~
先生、頑張るからね~~~








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