sweet voice
そのまま泊まったけど、何度も抱かれたけど、月曜から大阪出張で準備もしたいだろうし、私は土曜の午前中に帰ることにした。


「変に気をつかわれると、なんか花音らしくないな」


「私らしいって、どういう感じなの?」


「思ったことはストレートに言う感じ」


「私も一応、大人なので」


「買い物ついでに、昼飯行くか」


身支度をすませて玄関に向かうと、荒井さんは後ろから私を抱きしめた。


「俺を信じて、年末まで待ってろよ」


「うん」


そして、一晩で数え切れないほど重ねた唇が、また重なった。


大阪へ行くということは、私が仕事をやめるということだ。


そして、住み慣れた東京から離れ、荒井さん以外知り合いのいない街で新生活を始めるということだ。


私にそんな生活、できるんだろうか。


不安に押しつぶされそうになりながら、でもそんな不安に気づかれないように、普通のフリをしてランチを食べ、車で送ってもらった。


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