sweet voice
茜の言う通りだ。


私は、彰太にフラれた日のことを、今でも毎日のように思い出す。


関西への異動が公になる前に、私の部屋でいつもみたいにまったり過ごしていた夜。


「花音、ごめん。


俺たち、今日で終わりにしよう」


「・・・なんで?」


ケンカもしてなかったし、特に思い当たることもなかったのに。


私の質問に答えることなく、彰太は出ていってしまった。


彰太が関西へ出発した日、彰太からメッセージが届いた。


『花音、こんなことになってごめん。


俺には、遠距離に耐えられる自信がなかったし、花音とケジメをつける決断力もなかった。


花音が好きだけど、花音と結婚するイメージがわかなかった』


私には、彰太と二人で家族をつくっていくイメージがあったのに。


彰太にとって私は、そこまでの相手じゃなかったってことなんだ。


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