sweet voice
「安心しろよ、最後まではしてねーから」


「そ、そうでしたか」


ホッとしたような、もったいないような。


「おまえ、着替え取りに行かなくていいのか?」


「もちろん、取りに行きます。


昨日はありがとうございました、後日あらためて御礼させていただきます」


「じゃあ、今度の土曜日つきあえよ。


駅前に10時な」


有無を言わせない口調で、しかもあの声だから、


「わかりました」


と、素直に返事をしてしまった。



荒井さんの運転で会社まで送ってもらった。


リラックスした私服の荒井さんも、運転している荒井さんもカッコよすぎて、私は緊張で手汗がすごかった。


「じゃあ、遅刻すんなよ」


「ありがとうございました」


帰っていく荒井さんを見送って、カギを取ってから部屋に戻って、急いで身仕度をした。


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