sweet voice
窓際のカウンター席に案内され、とりあえず二人ともビールを注文した。


ふたりでメニューをながめ、食べたいのを同時に指さすことにしたら、同じものだったから思わず笑ってしまった。


「最近の若い子は、一杯目ビールじゃない子が多いけど、伸二くんはビールなんだね」


「それですけど・・・」


「もしかして、本当はビール苦手なのに無理して私に合わせてるとか?」


「すいません」


「別に、私に合わせる必要なんてないのに」


「同じものを飲んだり食べたりしたら、親近感わくかと思って」


「そんな無理してたら、自分が疲れちゃうよ。


これからは、伸二くんが頼みたいものを頼んで」


「はい、わかりました」


お待たせいたしました、とビールが運ばれてきた。


「カンパーイ」


カチン、とグラスが重なり、ゴクゴク飲み干す私を伸二くんはニコニコしながら見てた。


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