晴れのち曇り ときどき溺愛
「かなり遅くなるかも。日を改めてではダメ?そんなに大事な用事?」

「ああ。今日、絶対。俺もプレゼンの準備で残業するつもりだから時間は気にしないでいい。仕事が終わったら梨佳の歓迎会の場所の近くの店まで行くから、少しだけ付き合え」


 琉生はいつもなら私の時間に合わせてくれるのに、今日に限っては必ずだという。こんな風に言うのは珍しいことだから余程大事な事なのだろう。普通の飲み会なら途中で抜けることも出来るかもしれないけど、私の歓迎会なのに抜けることなんか出来ない。


 明日なら時間はあるのに…って思った。


「分かった。でも、先に抜けたり出来ないよ」

「それも分かっている」

「歓迎会の店が分かったら連絡するし、終わりそうになったら連絡する」

「じゃ、夜にまた」

「うん。琉生も仕事頑張って」

「ああ」


 琉生はホッとした表情を見せるから余程大事なようだったのかもしれないと思いながら、私は資料室を後にした。急いで六階に戻り、営業室に入るとさっきまで誰も居なかったのに、私を覗く全員が揃っていて机の上には書類が並べられている。勿論、私の机の上にもみんなと同じものが乗っていた。


「すみません。お待たせしました」
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