スリーアウトになる前に。
「真奈ちゃん、また週末ごはん作りに来てよ」

話題を変えようと、言ってみる。

「いいけど。でも伸二くんの方が上手なんだもんなぁ。伸二くんが自分で作らないけど好きなものとかないかな」

恥ずかしいとか言ってずっと三上くんだったのが、最近やっと名前で呼んでくれるようになった。

「ああ、あるよね」

「え? なに? 私にも作れそう?」

「うん、できると思う」

「なに?」

「来てくれたら教えるね」

「えー、自分で予習しときたいのに」

「それじゃつまんないよ」

納得がいかなそうな顔だ。「教えてもらったんじゃ伸二くんが作ったのと同じじゃない?」って拗ねている。

違うよ。オレ作れないもん。そんな美味しいの。

でも「真奈ちゃんのことだよ」とか今言っちゃうと、照れるのか嫌なのかまたどうせ逃げられるから、遊びに来てくれた時にしよう。

2人きりの時は意外と素直に身を任せてくれるって知ってるし。

ほんとオレの彼女の真奈ちゃんは、食べちゃいたいくらいかわいいよ。



THE END
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