手のひら王子様
鬱陶しいのが増えた
居候六日目。



「ねぇ……」


「んっ?」



昨日は不覚にも、椋太朗に泣き顔をさらしてしまった。



それでも……、



わたしの話を聞いて、



わたしに笑いかけてくれる椋太朗の傍は、



居心地が良い……。



まぁ……。



アニマルセラピーみたいな感じよねっ。



ペットに癒やしを求めるみたいな……。


はぁ……。



我ながら素直じゃないよ……。



だって……。



椋太朗は手のひらサイズのお人形。



いつか……。



動かなくなる日が来るのかもしれない……。



椋太朗の居る今が当たり前になっていくにつれて、



わたしの心配は膨らむばかりだった。



だから、聞くのが怖かったのかもしれない。




わたしは、食卓に座った椋太朗に向かい合った。



「アンタって……何者?」



本当のことを聞いたとき、



わたしは……、




受け入れられるのだろうか……。
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