ねぇねぇ、聞いて。
家の中に入るとお父さんがパソコンで何か書類を作っていた。


「ただいま。」


「あぁ。おかえり。今日は早かったな。」


「まーね。お母さんは?」


「さっき買い物に行ったよ。もうすぐ帰ってくるんじゃないか?」


「そう。」


いつもお母さんがリビングにいるからお父さんと2人きりになることはあんまりないんだけど。


俺がどうしようかその場に突っ立ったままでいると、


「座るか?」


お父さんにそう言われて俺はソファーに座った。


斜め前にお父さんがいる。


・・・・・・・・・・お父さんに相談してみる、か。


「なぁ、ちょっといいか。」


「あぁ。なんだ?」


パソコンを見ながら返事をする。


「もし、大切な友達がいて。その子にとって、都会にいる方が将来仕事に就きやすかったり有利だとする。でも、今都会に行くと仲間外れにされていじめられる。その時俺は、どうアドバイスするべき?もっと安全な場所にいろって言えばいい?それとも、都会に行けって言った方がいい?」

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